導入事例 2019/12/06

導入事例:動作分析×VR|首都大学東京様

OptiTrackによる動作分析-首都大学東京 福原先生

VRと連携させるシステムとして「OptiTrack」を活用

首都大学東京福原先生

首都大学東京 福原和伸先生
首都大学東京人間健康科学研究科の福原先生の研究室では、知覚や認知を身体運動と関連させて研究をされています。
アキュイティー株式会社のモーションキャプチャシステム「OptiTrack」を導入いただいたきっかけは、「モーションキャプチャとVRを連携させるシステムが必要だったから」と福原先生は語ります。

今回、私たちは、VRとの連携にモーションキャプチャシステム「OptiTrack」が選ばれた理由について、お伺いしました。

導入したOptiTrack製品と計測環境

モーションキャプチャ「OptiTrack」カメラFlex13を8台使用し、室内に構築したVR環境を囲むように設置。「OptiTrack」とソリッドレイ研究所社製のVRソフトウェア「オメガスペース」を連携させることにより、VR環境での動作解析が可能となりました。

「一流のスポーツ選手が見ている世界を見てみたい」VRを使った研究内容

――福原先生は、スポーツ選手の「相手プレイヤーが次になにをするか」という予測技能(スキル)について研究されているということですが、詳しく教えていただけますか。

福原先生:
私たちの研究室では、スポーツやリハビリテーションの運動支援を目指して、知覚や認知を身体運動と関連させて研究を行っている研究室なんです。
たとえば「見る」という視覚では、見方を変えると運動を変わり、運動が変わると見方が変わるという、不可分性があります。こうした不可分性はスポーツ選手の優れたパフォーマンスを支えていることが最近の研究で明らかになっています。
たとえばテニスやラグビーだとかだと、「ああ、この選手すごいなあ」と思う選手がいたとき、彼らの見ている景色というのは私たちが見ている景色とは全然違うもので、その景色が彼らの身体運動に関連しています。こうした景色を作る背景には、相手選手の次のプレーや飛んでくるボールの軌道を先読みするという、スポーツ選手特有な予測技能に関連していると言われています。私はこの予測技能を支える視覚情報が何かを明らかにするための研究を行っています。
将来の最終的なゴールはそういった一流の選手が見ている世界を見てみたい、というところにあります。
ただ、それを実際に作り出すとなると、単純に動きだけではなくて、知覚や認知などの脳が作り出した景色を再現することが必要になります。
そのためにVRというデジタルの映像を使って一流の選手が見ている世界を解き明かしたい、というのが私の一番の目的・興味になります。

――「スポーツ選手が見ている世界を見てみたい」そのためにVRを活用されている理由はなんでしょうか。

福原先生:
VRは自由に自分たちが作り上げたい環境を作ることができますよね。そこがVRの強みだと思っています。
業界的に言えば、スポーツの世界だと、ウエイトトレーニングやメンタルトレーニングはすでに現場に普及しています。ですが、一流の選手たちが行っている予測や意思決定等の状況判断、実際には目に見えないものを評価する指標が定まらないこともあり、まだ現場に普及されていません。しかし、つい最近、知覚認知の観点からトレーニングを取り組もうという試みが世界中で始まっています。
知覚や認知といった切り口が、新しいトレーニング評価になるわけです。
だからこそ一流の選手たちが行っている予測や意思決定というものをうまくVRで再現し、一流の選手が見ている世界を表現してあげる。スポーツ選手が日々の鍛錬で獲得する上達のための"コツ"をつかむ上で大切な情報となるわけです。

――なるほど。VRの強みを活かした研究ですね。

福原先生:
もう1つスポーツ以外にも、リハビリテーションについてもVRを応用した研究を始めています。
たとえば高齢者の方になると、歩行時に下を向きがちになってしまったり、転倒してしまうということがあります。
そこで、私たちの研究室では、VR環境の中でトレーニングをしたら、実環境で高齢者の方々がぶつからずに転倒する頻度を軽減できるのか、という研究に現在チャレンジをしています。このように、私たちはVRという技術を応用してスポーツやリハビリテーションの未来を見て研究を行っています。

モーションキャプチャシステム「OptiTrack」とVRソフトウェア「オメガスペース」(ソリッドレイ研究所社製)を活用したトレーニングの様子。バーを手に持ちながらその場で足踏みをして前進、ドアの隙間を通る際にバーをぶつけずに通過できるか判定。VR上で隙間の幅を変える事で環境情報を変えて、その際、身体の動きはどう変わるのかの動作分析や、運動学習に効果があるのかを検討している。

OptiTrackの活用用途

――活用されているVRはソリッドレイ研究所の「オメガスペース」というソフトウェアですが、その中で「OptiTrack」はどのような用途で活用されているのでしょうか。

福原先生:
OptiTrack」は身体運動を測るために活用しています。
元々のモチベーションとしては、VRを使って身体運動を測りたいというものがありました。
だからこそ、モーションキャプチャとVRをうまく連携させるシステムが必要だったわけです。

「モーションキャプチャとVRをうまく連携させるシステム」としてOptiTrackが選ばれた理由

――なぜそこで「OptiTrack」だったのでしょうか。導入の理由をお伺いできますか。

福原先生:
VRで活用していた「オメガスペース」(ソリッドレイ研究所社製)との相性が一番よかったからです。
あとは最近だと、HMDとの連携ができたということも理由の一つですね。
私たちがVRを使って身体運動だったり、知覚や認知を研究するとなったときに、「OptiTrack」は一番利便性が高かった、というのが一番の理由です。

――「OptiTrack」を導入する前はどのような環境だったのでしょうか。

福原先生:
最初は有線のセンサーでやっていました。そうするといろいろとケーブルが絡んだり、面倒なことが多く、やっぱりモーションキャプチャで連携できた方がいいなと。
非接触ですし、しかもそれがVRの中で再現できる。「OptiTrack」がすごいのは、そこですよね。実環境の計測もできるし、かつ、VRの中での身体運動がどうなっているのかという情報が、データとして出せるわけです。
私たちの研究で一番相性がいいモーションキャプチャとして、「OptiTrack」は魅力的でした。
あとはもちろん、価格のこともあります。

――OptiTrack以外に、VRとの連携で探されたものはありましたか?

福原先生:
他のモーションキャプチャとの連携は試していませんが、私の知る限り「OptiTrack」ほどVRとの相性が良く、手軽に導入できるものはないなとなりました。

――その他「OptiTrack」を選ばれた理由はございますか?

福原先生:
高精度な部分、かつ、VRとHMDの連携ができるところが魅力的です。
あともう1つ、屋外で計測できるのも魅力でした。
私の研究のアプローチとしては、実際のスポーツ選手の動きをとって、それをアバターに落とし込むということがすごく大事なポイントになっています。
でもスポーツ選手が本来の実力を発揮できる環境というのは、競技の場面じゃないと出てこないわけです。そういった意味では、「OptiTrack」は屋外で計測できますし、しかも今回は受託計測でお手伝いをしていただいて、その中で計測させていただけたのはすごく魅力的でした。

――屋外の計測にも優れている「OptiTrack」。可搬性にも優れており、計測場所は関係ないという強みがありますね。

福原先生:
そうです。カメラも小さいので、元々私の夢だったバーチャルリアリティの部屋も作れました。
やっぱり見た目的にもセンサーとなるカメラが上にあって、非接触でデータがとれるというのは、かっこいいなという思いがありましたから。

OptiTrackを使った今後の展望

――VRで環境を作り、身体運動の能力を「OptiTrack」を活用して測る。そういった研究の目的というのは、今後どこに向けられますか。

福原先生:
2つあります。
1つはもちろん研究として、スポーツ科学やスポーツ心理学、特に知覚や認知の研究テーマは世界的に進められているので、こうした場所でデータや論文を数多く出していくこと。
もう1つは、一流の選手がどう見ているのかを活字化することで、私たちの研究が、現場の人たちの技術につながるきっかけになればいいなと思ってやっています。

アキュイティー株式会社から購入して良かった点

――アキュイティー株式会社から購入して良かった点がございましたら、お伺いできますでしょうか。

福原先生:
営業の方が親身になってお話を聞いてくださる点です。
最初に営業に来てくださった方や現在ご担当頂いた方が本当に熱心で「研究を進める上で何をサポートできるか」という解決策を真剣に考えてくださいました。
真夏の暑い中での屋外でのテニス動作の計測や、それにかかわるサポートがそれにあたります。
こうした関係性は、私の研究には欠かせないものです。

――最後に、弊社アキュイティー株式会社に期待することはございますか。

福原先生:
1つは、VRやモーションキャプチャなど、新しい技術が出てきたら、それを教えてほしいということ。それが魅力的なものであれば、予算を投資する意味があると思っています。
もう1つは、先見の明というか、次に何が来るかといった考えに期待しています。
私の印象だと、若い方がたくさんいらっしゃる会社なので、すごくアグレッシブな感じがしていて、だからこそ、先見の明をもって、先に仕掛けていく、という活動はすごく魅力的だと感じています。

――ありがとうございました!

今回インタビューさせていただいた福原先生のご紹介

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