ノウハウ 2019/12/04

どれが最適?変位計測機の選定ポイント!

変位計測

対象の移動量を測る変位計測。特にものづくりの現場では盛んに行われており、同時にどう効率化を図るか?などのご相談をいただく機会が多くあります。ここでは改めて変位計測の様々な手法を紹介。その特徴から最適な変位計測の手法を選びましょう。

変位計測と言えば「変位計(変位センサ)」

変位計は、レーザ・棒状・ワイヤと様々な種類があります。例えばレーザ変位計。レーザを照射しその距離を計測、移動前後の距離の差で移動量が分かります。ここでポイントとなるのは、この移動量が"1軸"であるという点です。特定の軸方向に対して1箇所の計測であれば、これほどシンプルに高精度で計測できる方法はありません。
一方で、次の3つの課題があります。
1.複数の箇所を同時に計測する場合
センサの設置方向が軸方向を定義するため、全てのセンサを同じ向きに設置する必要があります。各センサで変位方向を変えてしまうと、正しい移動量の算出ができなくなってしまいます。
2.3次元的に移動する場合
計測対象が変位計で計測しようとする軸上以外の動きをする場合、計測対象点が動きと共に変わり、正しい値が取得できなくなってしまいます。例えば、レーザ変位計の場合、反射点が移動してしまい、別の計測点を取得してしまうことが起こります。
3.回転運動する場合
計測対象が回転運動する場合、変位計で回転量を算出することはできません。例えばロボットのような対象自体が大きく変位すると同時に回転運動するようなものに対する計測は難しくなります。

「加速度計(加速度センサ)」を使った変位計測

加速度計を使う目的は、運動の変化を表す加速度の値の算出です。言うまでもなく加速度を算出するための計測機なので、手軽に高精度な加速度の算出が可能です。一方で、次の3つの課題があります。
1.加速度計の座標系以外での値を算出する場合
加速度計自身が座標系を持ち、その座標系で値を算出します。例えば、CAD座標系やワールド座標系で加速度を算出したい場合、軸合わせが非常に困難です。
2.複数の加速度計で同時に計測する場合
複数の加速度計を使用する場合、それぞれのセンサから算出される値を比較するためにセンサの軸を全て合わせる必要があり、多くの工数が掛かります。また、加速度計を同じ方向に設置することが不可能な対象(例:円筒状の対象 等)には、軸合わせ自体が困難になります。
3.センサの重量で運動が変わってしまう対象の場合
加速度計自体に重量があるため、計測対象によってはその運動に影響を与えてしまいます。加速度計の小型化・軽量化は進んでいますが、精度等とのトレードオフになり、複数種類から選択する必要があります。

「ひずみゲージ」を使った変位計測

ひずみゲージは、金属(抵抗体)の伸縮による抵抗値の変化量を計算して変形(ひずみ)を算出します。非常に微細なひずみが高精度に取得できる点で優れています。一方で、変位計と同様に計測できるのは基本"1軸"です。さらに、1箇所の計測に付き2つのセンサを貼付します。そのため、
・軸方向を合わせて2つのセンサ貼付する必要がある
・片方のセンサが外れると計測ができなくなる
・せん断歪み等に変化する際には複数のゲージから計算する後処理が必要
という課題があります。

お悩み解決!「モーションキャプチャ」で変位計測

上述の3つの変位計測の手法は、いずれも条件が特定されていればコストを抑え、手軽に計測できます。一方で、
・多点同時に計測したい
・3次元的な動きが計測したい
・センサの重量で対象の運動に影響を与えたくない
という声をよく聞きます。上記の課題を解決するのが「モーションキャプチャ」を使った変位計測システムです。

お悩み解決!「モーションキャプチャ」で変位計測

1. 複数点の計測準備が容易
モーションキャプチャは3次元空間を定義してその空間上で移動する移動量を計測するため、センサの貼付において軸を意識する必要がありません。複数箇所の同時計測を行う場合、センサの数が増えれば増えるほど、軸合わせなどにより準備に手間が掛かっていました。しかし、モーションキャプチャでは、計測したい箇所にセンサを貼付するだけと非常に簡単です。数百点の計測実績があります。計測箇所が何点であってもモーションキャプチャの準備時間は比例しません。多点の計測でこれまで半日かかった準備時間が30分に短縮された実績があります。
2. 3次元空間上での計測
3次元計測が可能なため、対象の運動が1軸方向とは限らず、また回転する場合でも安心して計測できます。また、3次元的な移動を平面に投影し、1軸方向の変位を算出する事も可能です。さらに、座標系はCAD座標系や各対象のローカル座標系への変換が可能で、変換後の座標系での変位や加速度の算出も可能です。
3. 軽量なセンサを非接触で計測
モーションキャプチャで使用するセンサは、マーカーと呼ばれる反射体で、重量は1g以下です。ケーブル等の配線はなく、計測時に接触する必要がないため、対象の運動を阻害しません。例えば、ワイパーのビビリのような微細な変位も、センサの重量や配線の影響を受けず本来の挙動を計測できた実績があります。

Acuityでは、モーションキャプチャ「OptiTrack」を使った変位計測を「非接触3次元動的挙動計測システム」として提供しています。OptiTrackを変位計測機として安心してご使用いただくため、計測精度の検証(参考:OptiTrackの品質)や加速度計算の精度向上(参考:OptiTrackと加速度計算)に取り組んでいます。さらに、本システムは変位を計測するだけでなく、後処理や解析の手間を解消する専用ソフトウェア「SKYCOM」と組み合わせたものです。本システムが多くの企業で導入される理由は次の3つです。
1. リアルタイム演算・表示
変位・加速度・ひずみだけでなく、角度や速度等のあらゆる物理量の演算がリアルタイムで行えます。演算結果はグラフや数字だけでなく、3次元ビューやコンターで結果を視覚的に確認できます。
2. 自動処理
複数のデータに対して、フィルタ処理や補間等の解析の前処理を行う「バッチ処理」や演算や処理を登録して自動実行する「マクロ処理」が搭載されています。実験処理の工数を低減します。
3. 便利な解析機能
相対変位・FFT・座標変換・正規化等、複雑な演算機能を備えています。さらにレポートや動画の出力機能もあり、解析結果の共有が簡単に行えます。

複数点の計測準備が容易

「非接触3次元動的挙動計測システム」は、変位計測の工数を大幅に短縮。誰でも高精度な計測を可能とし、脱属人化と作業効率化を実現します。

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