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【新製品】樹脂コートマーカーの開発ストーリー

2022.09.02


3次元測定で用いる反射マーカーのデメリット

3次元変位計測や3次元測定、動作分析、技術伝承など、OptiTrackシステムを用いることで、工数短縮や解析が簡易になるなど、様々なメリットがあります。
しかしその一方で、どの場面でも、どのシーンでもOptiTrackシステムを活用いただけるわけではありません。
たとえば医療現場や精密機器関連の計測シーンでは、カメラの設置やシステムの立ち上げ、要求精度は課題にならずとも、計測のために用いるマーカーの種類が問題になる場合があります。
これは、OptiTrackシステムで使用する反射マーカーに、再帰性反射材と呼ばれる塗料が塗られており、使用するごとに摩擦等でこの塗料が剥がれ、医療現場や精密機器関連の計測シーンでは使用できないためです。また、雨天や水中での計測に関しても、通常の反射マーカーでは計測不可という課題がありました。



【新製品】樹脂コートマーカーの開発ストーリー


はじまりは、医療現場での3次元測定でした。医療器具の形状測定を行うにあたり、カメラとマーカーを用いた3次元測定を実施。
しかしこのとき、反射マーカーの塗料が問題視されました。
デモ段階で、カメラとマーカーによる3次元測定で、うまく計測できることはわかっても、問題は医療器具に塗料が微量でも混ざってしまうのではないかということでした。
これまでの計測シーンにはない課題と視点に、医療現場でも活用できるマーカーの開発がはじまりました。
ついでに、塗料が問題で、これまで計測できていなかった雨天時の計測、油汚れが伴う現場での計測も可能になるよう、工夫された開発が開始されました。



Acuityだからできる製品開発の体制

従来の製品に課題があるからといって、そう簡単に新製品を開発できるわけではない、といったことはどの業界も往々にあります。
まず製品企画の段階でつまずいたり、企画は通っても、製品開発・製造を行うリソースがなかったり、新たに協力企業を探すところからはじまったりなど、様々な要因でなかなかスムーズに進まないということがあります。
そんな中、Acuityで新製品の開発がスムーズに行われる理由は、現場のニーズに対応できる体制がすでに整っていることにあります。
Acuityではこれまでの経験や関連企業との信頼構築から、現物に対する設計・加工・製造を行える協力会社との関係が構築されていること。また、製造業界を経験した人材が社内にいることで、現物に対するニーズに答えやすいという面があります。
このように製品開発の体制がきちんと整っているからこそ、Acuityでは、ニーズに合った製品開発がスムーズに行われています。



樹脂コートマーカーの性能と開発の成功点


本来の目的は、医療現場でも活用できるマーカーの製造。付随して、防水面の強化も挙げられていました。
その結果、完成した樹脂コートマーカーの表面は、摩擦で落ちやすい塗料ではなく、樹脂でコーティングした製品に。表面に形成された樹脂皮膜の効果から、撥水撥油性を発揮し、強力に水や油を弾くものとなりました。


開発した樹脂コートマーカーの成功点は下記の通りです。
・塗料剥がれによる、計測対象への異物混入がない
・塗料剥がれによる、劣化や計測時の認識が厳しくなるといったことがない
・撥水効果があるため、ワイパーの挙動試験時に、水を吹きかけても3次元計測が可能
・防水効果もあるため、水の中にマーカーを沈めても問題なく計測が可能(ただしシーンによっては要検証)
・撥油効果があるため、油汚れが発生する現場での挙動計測や動作分析も可能


もちろん、従来、反射マーカーを使用して計測していた現場においても、問題なく、樹脂コートマーカーでの計測が可能です。



今後、樹脂コートマーカーが活躍する計測シーン


粉塵レス・撥水撥油効果のある樹脂コートマーカーをOptiTrackシステムによる3次元計測に使用する場合、従来の現場だけでなく、下記のシーンでも計測対応が可能です。
・塗料の付着や粉塵の発生をケアする必要がある計測シーン
・水をかけるなど過酷な計測シーン
・油脂のケアが必要な製造現場での計測シーン


従来の反射マーカーと変わらず、OptiTrackシステムで3次元測定ができるだけでなく、これまで計測の難しかった医療現場や精密機器現場、雨天時、工場での油汚れにも対応できる樹脂コートマーカー。
Acuityでは、随時デモも行っており、実際に従来の反射マーカーと樹脂コートマーカーの計測を比較することも可能です。従来の反射マーカーが持つ課題から、3次元計測が難しかった現場はもちろん、新製品にご興味がありましたら、ぜひお問い合わせください。



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