微細な形状変化を見逃さない、輪郭に着目した新しい学習手法
複数の正常品を撮影し、正常な状態におけるエッジを抽出。そのエッジと検査対象のエッジを比較し、差異があれば異常と判断するアルゴリズムです。処理の流れ自体はシンプルですが、エッジの抽出には独自の特殊な手法を用いており、実用性の高いアルゴリズムとなっています。
ここでいう「エッジ(Edge)」とは、画像の中で「明るさ(輝度)」や「色」が急激に変化する輪郭(境界線)を指します。
(1)学習時
1~20枚程度の正常品画像から「特殊な手法」で「エッジ」を抽出します。
個体差が大きい検査対象の場合は学習する画像枚数を多くします。
(2)検査時
検査対象画像から「エッジ」を抽出します。
(3)良否判定
検査対象の画像(B)と学習した画像(A)のエッジの差分をとり、残った部分(C)を異常と判定します。
(4)判定結果
(1) 少量の良品のみを学習し構築が簡単
本手法は、少量の正常品画像のみで検査モデルの構築が可能で、導入が非常にシンプルです。
1〜20枚程度の正常品画像を用いて、特殊な手法でエッジを抽出し、それを正常な状態として記憶します。サイズや表面処理などのばらつきも含めて「正常」として学習できるため、実際の製造ばらつきにも対応可能です。必要な画像枚数は、対象物の個体差の大きさに応じて変動しますが、不良品画像を多数収集・登録する必要はありません。
(2)微細な変化も捉える高精度な検査
従来のルールベースの画像処理では、製造上のばらつきを異常と誤判定しないよう、検出の感度を下げざるを得ませんでした。エッジ学習では、エッジ抽出に独自の工夫を加えることで、ばらつきには強く、わずかな形の変化も捉える高精度な検査を実現しています。製品のばらつきを許容しつつ、本来検出すべき異常をしっかり見逃さない。現場で本当に使える判定精度を追求した技術です。
(3) 判定結果がブラックボックス化しない
AIによる物体検出では、画像内のどこに異常があるかを矩形のバウンディングボックスで示すことができますが、「なぜそこが不良と判断されたのか?」という根拠までは見えにくく、ブラックボックス化しがちです。一方、当社のエッジ学習による検査では、判定の根拠を画像や数値として可視化できるのが特長です。
「正常なエッジ」と「異常なエッジ」の違いを明確に示すことで、お客様自身が結果を見て納得できる、そんな検査を実現します。目視検査の代替としてだけでなく、現場での確認・説明のしやすさも、エッジ学習の大きな強みです。
エッジ学習にご興味がありましたら、ぜひ当社までご相談ください。現場に即したご提案をいたします。
お客様の課題に合わせてスタッフが最適な解決します。
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