導入事例Introduction Example
自動車シートの負荷試験工数が最大70%低減する事例
2023.08.28- 負荷試験の準備工数を大幅に削減し、1人で計測したい方
- 検品業務を行っている方
- 計測点同士の変位から総合的に試験結果を評価したい方
シートの負荷試験において、座席部に試験機を設置し、Y軸方向の凹みを計測している場合、1軸方向のみの計測になってしまうため、実際のところ、負荷の分散に関しては詳細を計測できていないという課題がありました。そのため、3軸で計測を行おうとしても、従来の変位計やひずみゲージ等のセンサでは、準備工数に大きく時間がかかってしまうという新たな課題が発生。
アキュイティーの静的試験計測システムは、この工数の課題を解決し、多点同時計測により、点ではなく面での評価も実現しました。
静的試験計測システム導入前の課題・要望
自動車シートの負荷試験における課題は、センサや試験機のセッティングに大きく工数がかかってしまうというものでした。総合的にシートの変位を計測するため、3次元で計測をする際、変位計やひずみゲージでは、センサの設置場所を設計し、配線等にも考慮する必要があります。そのため、すぐに試験をはじめられるわけではなく、工数を考慮した計画と人員が必要となっていました。
また、負荷をかける試験機の位置決めや、シートの設置位置の確認にも工数がかかってしまうという課題がありました。
それらの課題の解決策が「静的試験計測システムによるシートの負荷試験」です。
静的試験計測システムの導入では、下記の2つの効果があります。
・負荷試験の準備工数が最大70%低減
・シート全体の変位が解析できるため、総合的な製品評価が実現
静的試験計測システムによる課題の解決方法
静的試験計測システムの手法は、負荷試験の対象であるシートの、任意の箇所にマーカーを貼付すること。そのマーカーが認識できる位置にカメラを3台以上設置することで、3次元の変位が計測できるようになります。
同時に計測できる点は100点以上も可能で、カメラから認識できるエリアであれば、負荷をかけるシートの座席部だけでなく、土台となっている部分もマーカーを貼付するだけで計測が可能です。そのため、点ではなく面や相対関係なども解析が可能。シート全体の総合的な評価が実現します。
さらに、位置合わせ機能を持つソフトウェア「SKYCOM」を合わせると、試験機の設置位置やシートの位置調整も非常にスピーディーになります。
位置合わせの手法は、静的試験計測システムと同様に、マーカーをカメラが認識することで可能になるため、負荷試験でマーカーを用いる場合は、ソフトウェアのみの追加使用で、カメラの段取り切替もなく、試験機やシートを規定エリアへ設置することが可能です。
静的試験計測システム導入後の効果
このような静的試験計測システムを導入することで得られるメリットは大きく2つあります。
①負荷試験の準備工数が最大70%低減
②シート全体の変位解析で総合的な製品評価が可能
それぞれ詳しく見ていきましょう。
導入後の効果①負荷試験の準備工数が最大70%低減
従来製品に比べ、負荷試験の準備工数が大幅に低減する理由は、静的試験計測システムの手法そのものにあります。
計測には、カメラとマーカーを使用します。マーカーには軸の概念はなく、対象に貼付する位置や向きには決まりがありません。任意で設置が可能な上、ワイヤレスで配線もなく、設置が非常に簡易です。
このマーカーから3次元の位置情報を取得するため、3台以上のカメラを設置。カメラがマーカーを認識しつづけることで、リアルタイムに変位を計測できるようになります。
そうしたことから、センサの設置工数や軸方向を考慮した設計工数は大幅に削減され、シートの負荷試験はスピーディーに進みます。
また、さらに工数削減を行うため、位置合わせが可能なソフトウェア「SKYCOM」を使用することで、負荷を与える試験機や計測対象のシートの位置合わせの工数も低減します。
導入後の効果②シート全体の変位解析で総合的な製品評価が実現
たとえば、マット式のセンサだけでは、座席部のみの計測になり、土台部分の変位まで全体的な計測には至りません。しかし、静的試験計測システムを活用すれば、貼付したすべてのマーカーの3次元位置座標から、変位量の計測・解析が可能。
これにより、座席部から土台まで、総合的な製品評価が実現します。
また、マーカーによる計測は、1点ずつの計測ではなく、点同士をつないだ面での計測も可能です。シート全体の姿勢の変化を評価したい場合にも活用でき、シミュレーション通りか確認するために活用することも可能です。
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