導入事例Introduction Example
ユーザーインタビュー:学校法人 近畿大学 理工学部 エネルギー物質学科 生体計測工学研究室 池田 篤俊先生
2026.02.24主にヒトや環境を計測する技術やモデル化する技術に関する研究に、OptiTrackカメラ「PrimeX 13」、基幹ソフトウェア「Motive」、マーカーレスモーションキャプチャ「Captury」をご活用いただいている、学校法人 近畿大学 理工学部 エネルギー物質学科 生体計測工学研究室 池田 篤俊(いけだ あつとし)先生と研究室所属の岡部 圭哉(おかべ けいや)さんにお話を伺いました。

ー池田先生のご研究内容について、簡単に概要をお伺いいたします
(池田先生)現実世界の様々な物事を理解するために、“何を”、“どのようにして”、計測し解析するかについて研究し、得られた知識を用いて社会に役立つシステムを開発しています。
現在は、美容師や熟練技術者の道具を使用した時の作業スキルを定量的に評価するための計測および評価システムの構築を目指して研究しています。
ーモーションキャプチャOptiTrackを知ったきっかけや導入に至った経緯をお聞かせください
(池田先生)以前、所属していた研究室(国立大学法人 奈良先端科学技術大学院大学 ロボティクス研究室/現在は閉室)がOptiTrackを所有しており、使用していました。
自身の研究室でも計測機器が必要だなと考えたときに、OptiTrackは小型で持ち運びもでき、また人の動作計測に十分な性能を持っていたので、導入を決めました。
あと、カメラが比較的安価であるのも購入のポイントですね。
ーOptiTrackをどのように活用されていらっしゃいますか
(池田先生)美容師や熟練作業員の技術を計測して評価を行っています。モーションキャプチャで動きを計測しながら、その動きを実現するための力の入れ具合(筋電および骨導音)と道具にかかる力(ひずみゲージ)や対象にかかる力(フォースセンサー)を同時に計測しています。
ブラシに反射マーカーをつけ、ブラシの軌跡をOptiTrackで計測しています。ブラシに直接反射マーカーをつけると髪の毛で隠れてしまうので、リジッドボディを作成してブラシに取り付けています。反射マーカーも軽いので、動きも大きく制限することなくブラシの軌跡を計測できています。
また、腕には筋電計をつけてブラシの握り込みに関わる筋肉の活動を計測しています。
同時に、施術をする側(美容師)の手の甲にはピエゾ素子をつけ、体に伝わる振動も測っています。これは、腕から道具まで含めた全体の“剛性”(硬さ・柔らかさのコントロール)を推定するためで、それぞれのデータを総合的に評価しています。
美容師さんが髪をとかすとき、髪をまっすぐに整えるには適度なテンションが必要です。弱すぎても整わず、強すぎると痛みにつながる。この「絶妙な力加減」が熟練者と初心者で大きく異なります。
熟練の方は、髪の引っかかりがあっても対応できるようなブラシの持ち方をしていたり、腕や身体の力の入れ具合を調整したり、敏感に引っかかりを察知する能力を有しています。こうした身体の使い方や触覚フィードバック能力を定量化し、教育やトレーニングツールに活かしたいと考えています。特に触覚は言語化しにくい上に、本人も無自覚に調整していることが多い。だからこそ、動作データ・ブラシにかかる力・筋肉の活動を同時に計測し、どこで違いが生まれているのかを可視化する必要があるので、OptiTrackをはじめとする計測機器で数値化しています。

ーOptiTrackをご活用いただいている中で、これは利点だなと感じられるところはございますか
(池田先生)OptiTrackのカメラや周辺機器は小型で軽く、コンパクトにまとめて運べるところがいいですね。普段は研究室内にOptiTrackを設置していますが、計測のため共同研究先の工場や美容室などへも簡単に持ち運びでき、現場での計測は十分なスペースを確保できないことも多いので、コンパクトなカメラは設置の自由度が高くて助かります。
(岡部さん)先生と同意見ですが、OptiTrackは持ち運びがしやすく、美容室での計測にも向いていると感じました。カメラもコンパクトで、ケーブル類をまとめてケースに詰めればそのまま車で移動できます。現地に着けば三脚を立てるだけで計測環境が作れるのがいいところですね。 また、キャリブレーションが思ったより簡単で、説明の流れどおり操作すれば問題なく測定できる点もありがたいです。大型な計測機材だと、この手軽さは難しいと思います。

ー今後、OptiTrackを用いて取り組まれる研究やプロジェクトのご予定があればご紹介いただけますでしょうか
(池田先生)美容業界は人手不足が深刻で、たとえば病院や介護施設で髪を切ることが難しい状況が多くあります。外出が難しい方も多いですし、災害時などでも髪は伸びていきますよね。
もし将来、ブラッシングやカットをロボットが安全に行えるようになれば、そうした場所でも“身だしなみを整えるサービス”を提供できます。
私たちの研究で「熟練者の力のかけ方・調整の仕方」がモデル化できれば、美容ロボットや介護ロボットへの応用も可能になると考えています。単なる美容の話にとどまらず、介護負担の軽減や生活の質の向上にもつながるはずです。
そのために将来的には今の腕だけの計測だけではなく、全身のモーションを同時に測りたいと考えています。
OptiTrackだけではなく、マーカーレスモーションキャプチャができるCapturyも導入したので、ブラシの動きはマーカーありのOptiTrackで計測し、人の動きはマーカーなしのCapturyで同時計測して、熟練者の作業スキルを全体的に評価したいですね。

ー最後に、OptiTrackやアキュイティーへのご期待やご要望がございましたらお聞かせください
(池田先生)アキュイティーさんは導入後のサポート体制がしっかりしていて、とてもありがたいです。今後も研究開発の現場で相談に乗っていただけるとうれしいです。
貴重なお時間を頂戴し、ありがとうございました。
最後にいただいたサポート体制につきまして、アキュイティーでは用途にあったサポートプログラムをご用意しております。
メールや電話だけではなく、オンラインで計測やデータ編集などの個別サポートも対応しておりますので、ご加入者の方は是非ご活用ください。
学校法人 近畿大学 理工学部 エネルギー物質学科 生体計測工学研究室 池田 篤俊先生
▼ 近畿大学 池田 篤俊先生
https://www.kindai.ac.jp/science-engineering/education/teachers/detail/06_ikeda_atsutoshi.html
▼ 近畿大学大学 生体計測工学研究室
https://bsl.emat.kindai.ac.jp/
▼池田先生がプログラム副委員長を務められるロボティクス・メカトロニクス 講演会 2026が
6月に福岡県 福岡国際会議場で開催されます。
https://robomech.org/2026/
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